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十八歳、海へ - 中上健次

中上健次の初期作品集。小説家の初期の作品というのは、多かれ少なかれ自伝的なものが多いと言われているが、この「十八歳、海へ」もそうかもしれない。大江的なフォーマットをなぞる習作のような蒼い感じと、以降の強烈な作品群の要素が同居しているところがとても興味深い。若さゆえの衝動的で混乱を招くような、どこへ走るか分からない文と、みずみずしい感覚、そして血を恨むような慈しむような生きることへの葛藤と希望。この若い作家は、ずっとそんなことに悩まされながら生活していたのだろう。その悩みを小説という世界のなかに真正面からぶつけたとき、名作が生まれたのだと思う。

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