蠢く
|Posted:2008/04/29 23:58|Category : 旅行|
破壊と創造は似ている。
共産圏特有の都市計画。広い道路とどこか別の国の建物が複製された街並み。街のありとあらゆる場所で大規模な開発が行われる。黄砂で霞んだ大気の中に聳え立つ建設途中の数々のビル。繰り返し利用されているであろう古びた仮設材。それは、何かを作り出しているようで、同時に何かを破壊しているようでもある。日本の高度成長と重なる記憶。歴史は繰り返される。経済成長が引き起こしたあまたの公害や社会のひずみ。そんなものまで複製されるのか。
剥き出しのままの欲望が蠢く街。長期にわたる党の支配と急襲する資本主義が交差する混沌。街中を外国の高級車が走る。信号などお構いなしに飛び出してくる人。クラクションだらけの交通。譲り合いの先に待ち受けるのは死でありここでは自己中心な運転が安全だ。